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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第15章 神様のイジワル
命を預かるオレたち医者は

経過は勿論、もしも…その命を
救えなかった時には

家族に説明をする義務がある



「先生・・・ナナミは…どうして」



『全力を尽くしましたが

お力になれずに…申し訳ありません』





オレは浅田先生について

説明の場に立ち会った





「やっぱり始めから…手術していれば

せめて・・・せめて命は…っ

助かったんじゃないんですか」




『・・・』



浅田先生は毅然として
家族の言葉に耳を傾けながら

必要な説明だけを…淡々と述べた


言い換えるなら、一言も…一切の
自分の言い分を述べずに





「・・・あんたたち医者なんか

人が死ぬことに慣れて…なんとも…

なんとも思わないんでしょうけどっ

我々の痛みなんて・・・っ」




・・・。




オレは知らぬ間に肩や拳に力が入ってた





『・・・わからないわけ…ないでしょう』




「・・・?!」




『・・・~~滝川…』




浅田先生が遮ろうとする声が

オレの耳には入らなかった





『人が死んで何とも思わない…?

人が死ぬことになれて…なんとも思わない

その悲しみがわからない・・・?

そんな人間が…いるわけがないでしょう…!』





感情的に…なってはいけない

耳がタコだらけになるくらい
教えられてきたことだけど



オレたちだって…

オレだって・・・

目の前にいる…神様呼ばわりされるような

完璧と言われる先輩だって



機械でもロボットでもない



医者だって…人間だ

あなたたちと同じ

心を持った人間なんだ。







家族を失って

やり場のない悲しみに

受け入れ難い現実に


行き場がなくて

言葉がなくて

誰かのせいにして納得したくて



つい

吐いてしまった言葉かも知れないけど



オレはオレで…オレ自身の感情を

あらわにしてしまって



目の前で無情に吐かれた言葉を

受け止められなかった





『既にナナミさんの状態は…っ』




『滝川・・・っ!!』





浅田先生がオレを一喝して止めて

退室を促した






『・・・すみません』



オレは我にかえって
ご家族に深く頭を下げる
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