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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第18章 弟の・・・覚悟

『少し・・・外に出ようか?』
翌日、車椅子を用意して
病室に来たリョウキを見て
アイルちゃんは更に暗い顔をした
『・・・落ち込むことないよ
少し頑張り過ぎだってさ・・・♪
一日頑張って、一日休むくらいでってさ』
『・・・~』
『それとも・・・今日は…やめておく?』
アイルちゃんは首を横に振って
そっと、車椅子に乗った
『まぁ・・・ガッカリするのは早いよ』
『・・・そんなんじゃ…ないです』
『(笑)・・・今日は良い天気だよ♪』
リョウキは中庭を歩きながら空を見せたりして
アイルちゃんの緊張を
ほぐそうとしてしてるようだった
そのまま、奥に抜けて
少し人気のない場所まで車椅子を押すと
何やらゴソゴソと袋を開けて
リョウキはアイルちゃんの目の前に
『・・・ほら(笑)』
ニョキっと・・・
ボールを差し出した
『・・・ぇ』
『病室じゃつまらないでしょ?
歩くのも…ちょっと疲れちゃうなら
少し運動の代わりに・・・』
『・・・でも』
『大丈夫だよ♪…人も少ないし』
リョウキが彼女に差し出したのは
サッカーボールでもバレーボールでも
バスケットボールでもなく
どこにぶつけようが
ケガする心配も窓を割る心配もない
例え・・・
神がかった次元の運動音痴でも
その破壊力がゼロに等しい
子どもが遊びで使うような
ゴムで出来たカラフルな
おもちゃのボール(笑)

