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乳房星(再リフォーム版)
第5章 そして、神戸・その2
時は、1976年頃であった。

実母と引き裂かれた私は、施設長さんに育てられた。

幼少の私は、施設で暮らしていたけど四六時中施設長さんと一緒にいた。

施設の行事はあるけど、1度も参加しなかった。

おきてから寝る間での間、一日中施設内で過ごすことの繰り返しの暮らしであった。

なので、施設内に親しい友人等はあまりいてへんかった。

晴れた日は施設のテラスに出て、造船所と渡シ場の周辺の風景をながめていた。

一日中施設で過ごしている私の唯一の楽しみは、ラジオである。

毎日正午に南海放送ラジオで放送されていた『想い出のリズム』を聴くことが、私の唯一の楽しみである。

毎日正午に、大広間に置かれている四脚のステレオのスピーカーから、番組のオープニング曲の蓄音機のメロディーが流れていた時、幼い女の子がテラスにいる私を呼んだ。

「よーくん、想い出のリズムが始まったよ~ゆりこと一緒にお歌を聴こうよぅ。」

私を呼んだ女の子は、同じ施設で一緒に暮らしている鳥居ゆりこちゃん(以後、ゆりこと表記)である。

ゆりこに呼ばれた私は、テラスから大広間に置かれている四脚のステレオの前に行った。

ステレオの前には、私と施設長さんとゆりこと同じ施設で暮らしている布師田賢也(ぬのしだけんや)くん(以後、けんちゃんと表記)の4人が集まった。

私は、施設長さんのひざの上に乗ってラジオを聴いた。

ゆりこは、けんちゃんと肩を寄せ合ってラジオを聴いていた。
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