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第1章 Wデート

もしかしたら人生を変える夜になるかも……そんな期待と不安で心が揺れ動く夏希にはお構いなしに車は進み、桜木が繁華街のはずれの駐車場に車をとめる。

「予約しているお店はすぐ近くだから」

桜木の言葉通り1分歩いただけで庶民的な店構えの和食屋についた。

「こういうお店の方が落ち着くから、私がリクエストしたの」

梨香の言葉に夏希も同意して頷く。

高級フレンチの店で食事したこともあるが、ウェイターの目を意識しながら、テーブルマナーを気にしながらの食事は正直落ち着かなかった。

カジュアルな服装で気楽に食事できる店の方がありがたい。