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水沢夏希27歳、開花
第16章 キャンピングカーの使い方
「人の多い有名なデートスポットより、こーゆーところの方が落ち着くかも」

夏希が黒岩に体を寄せる。

「うん、ここなら気がねなくベンチを独占できるし、眺めも悪くないよね?」

「ええ、これだけの景色が見られれば充分です」

黒岩に肩を抱かれて夏希が幸せそうな顔になる。

黒岩の体の温もりを感じられるのが嬉しい……それに目の前の景色も悪くない……小さな山といっても高層ビルよりは高いし、都心では見られない緑の多い景色には気持ちがなごむ……。
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