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第6章 運命の人？

黒岩さんの部屋まで……とにかく黒岩さんの部屋まで……。

必死に手足を動かしてなんとかたどり着き、黒岩の部屋の玄関の中に入った夏希は、全身の力が抜けて動けなくなってしまった。

「ごめんなさい……」

「よく頑張ったよ……いい子だね……」

黒岩が謝る夏希の前にしゃがみ、一目で夏希が好感を持ったあの優しい笑顔を夏希に向けて頭をなでる。

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

大きな目から涙をこぼしながら夏希があやまり続ける。

「いいんだよ……今夜はいろいろあったから……」

そんな夏希を黒岩が優しい目で見守る。