この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
籠の中の天使
第9章 告白



南斗と過ごす午後は楽しかった。


「天ぷら粉って、どのくらいの水を入れるんだ?」


天ぷら粉の入った袋を親の仇のように南斗が睨む。


ぷっ…。


思わず吹き出した私に南斗が嫌そうな顔をする。


「なんだよ?」

「だって…、南斗、子供みたい。」

「子供は咲都子の方だ。」

「北斗さんの前だと完全に弟じゃん。」

「そりゃ、北斗が兄貴だからな。」


頬を膨らませて不貞腐れる南斗を笑う。


「お前、笑ってるけど、ちゃんとカニの身を殻から外せ。」

「だって難しいんだもん。」


タラバやズワイガニとは違い、毛ガニは手に毛や棘が刺さって身をほじくるのに一苦労だ。


「酢の物と炒飯ならバラバラでもいいけど、天ぷらには綺麗なのが欲しい。」

「天ぷらだって、かき揚げなんだからバラバラでもいいじゃん。」

「不器用咲都子…。」


南斗が意地悪な言い方をする。


「南斗だって…。」

「俺は咲都子よりも器用だ。」

「じゃあ、南斗が剥いてよ。」


カニの足がいっぱい入ったボウルを南斗の鼻先に突き付ける。


「よしっ、見てろ。」


張り切って殼むきに南斗が挑む。

30分後…。

カニの足を握ったまま燃え尽きてる南斗が居る。


「カニって美味いけど…、面倒臭せーっ!」

「ほらほら、私よりも器用なんでしょ?頑張って剥いてよ。」


私よりも殼むきが下手だった南斗は私以上に苦戦してる。


「こうやって、ちまちまと身をほじくるとか俺の性に合わん。」

「まだ一匹丸ごと残ってるよ。」

「その一匹は冷凍保存して次回に回せっ!」


2匹を解体しただけで南斗がギブアップを宣言した。

だけど2人だから2匹でも充分な量がある。


/339ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ