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籠の中の天使
第25章 貴方の為に…



緩やかだった南斗の動きが変わる。


「出るっ!」


そう叫ぶ南斗が今にも翔びそうな私を抱き留める。

南斗が吐き出したものの全てを痙攣するお腹の中で子宮が受け止めようとしている。

今はまだ、私は南斗という籠の中の天使のままだ。

襲いかかる脱力感に身を任せてベッドに沈む。


「おやすみ、咲都子…。愛してるよ…。」


南斗の唇が額に触れる。

もう、南斗の顔すら見れずに幸せな夢の中へと落ちていく。

いつか…。

きっと…。

南斗の為に天使を産む。

今の私は自分の事だけで精一杯だから無理だけど、もっと大人になれば南斗は私にそれを望む。

そうやって愛の形が少しづつ増えていく。

私が産む天使は私や南斗とは違う世界へと羽ばたく子になる。

そんな日が来るまで、私は私の道を翔び続けたいと思う。

傷付いたり、疲れたりした時は南斗が必ず私を受け止めてくれると信じて翔べる。

夢はどんどんと広がって私を包み込む。

とても暖かで幸せな夢だった。

目を覚ませば、愛おしい人はまだ眠ってる。

寝てる時は南斗もまだまだ子供みたいな顔をしてて、凄く可愛いから嬉しくなる。


「咲都子…?」


南斗がゆっくりと目を開ける。

その頬にキスをする。


「今…、何時だ?」


お互いがぐっすり寝た感覚がある。

ベッドの上にある目覚まし時計に目を向ける。


「南斗っ!やばいっ!8時…5分前っ!」

「嘘だろ!?遅刻かよっ!」

「やだぁ…、岡田さん、もう迎えに来てるよ。」

「最近の咲都子はアテになんねーっ!」


2人で幸せを振り切ってベッドから飛び出す朝…。

慌てて顔だけを洗って服を着て家を飛び出す。


「咲都子っ!」


一瞬だけ南斗が立ち止まり、私の手を握りながら手の甲に口付けをしてくれる。


「早く、帰れよ。」

「うんっ!行ってきます。」


南斗に見送られてあの街とは違う世界へと翔び立つ。

貴方の為に…。

次の天使が産める大人になりたいと願って未来へと羽ばたく。






fine…


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