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籠の中の天使
第3章 学校嫌い



お昼は学食から出前が来る。

本当は教員しか出前を頼めないけど、私が保健室から出られないから南斗の分と一緒に届けられる。

南斗が学食に注文するのは日替わりランチ…。

私が唯一食べるまともな食事はそのランチだけ…。

南斗が居なければ、私は食事すらまともに出来ずに死んじゃうだけの子かもしない。

ほとんど話さない南斗…。

必要な連絡だけは私に伝える。


「今日の放課後…、職員会議なんだ。」


南斗が辛そうな表情をする。


「また?」

「修学旅行が近いからな。」


嘘だ。

去年も修学旅行があったけど、南斗はそこまで忙しくなかった。

きっと私の問題をどうするのかが職員会議の議題になってる。

追い詰められてる気分に食欲を失くす。

午後からの授業は数学の山科先生…。


「修学旅行は北海道かぁ…、先生…、何故か北海道の時だけ行けないから一度は行きたいんだよなぁ。」


山科先生はやたらとお喋りでお父さんみたいな人…。

うちの学校は北海道か沖縄のどちらかで学生が投票して行きたい場所を決めるから山科先生は沖縄ばかりに行ってると言う。


「今年の…北海道も行けないのですか?」


それとなく聞いてみると


「そうなんだ。1年生の授業も担当してるから行けない。だからな、相原がお土産を買って来てくれよ。」


普通の会話に聞こえるけど山科先生からは私を教室へ戻したい空気が漂ってる。

私は行きたくないと言った修学旅行…。

南斗は参加だけはさせると言ってた修学旅行…。

他の学生とは別行動を出来るように学校に申し込んだけど、それが問題だと学校から言われたのかもしれない。

南斗を苦しめる学校が嫌い…。

私の学校嫌いはますます酷くなるばかりの日々だった。


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