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恍惚なる治療[改訂版]
第15章 身体を重ねる

「佐伯さん、朝ご飯出来ましたよ」
「ありがとうございます。いただきます」

柳川さんが泊まりで家事をしてくれるようになり早2週間…
夕飯の準備は三雲さんにやってもらい、柳川さんは洗濯や朝食の用意をしてもらっている。

柳川さんに家事をしてもらい、申し訳ないと思いつつも、眠る時隣に居てくれるのは凄く嬉しい。

ただ…あれ以来、ハグをするだけで、キスもそれ以上もしていない。
恐らく、俺が泣いたのを見て色々察したのではないかと思う…

別に欲求不満というわけではないが、触れ合いが少ないのは、寂しい…

「佐伯さん、明日は僕休みなんで、久しぶりに何処かに出掛けませんか?」
「そうですね…うーん」
「休職中だからと言って、外へ出掛けたらダメだという決まりは無いですよ。骨折が治るまで家に篭ってるのも息が詰まるでしょ?僕も久しぶりに佐伯さんと出掛けたいんで行きましょう」

ちょっとした気遣いとかが出来る人だから好きなんだよなぁ…
こんな良い男だから、これまで色んな女性にモテたんだろうなぁ…

「分かりました、行きます。お誘いありがとうございます」
「楽しみだなぁ…2人で待ち合わせせずにデートするのって初めてですね、何だかワクワクします」
「そ、そうですね…」

出掛けるだけなら何とも思わないのに、デートだと思うと緊張する…



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