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透明な炎
第2章 明
「どーせ暇してるんだろう?明日バンクシー展いかねぇ?
横浜でやってるんだけど、丁度取引先の部長とその話になってさ
俺も行ってみます!って言っちゃったんだよ」
「いいけど、銀座はいいの?」
「は?銀座?」

あ、あれは妄想だった。

「えっと、銀座でやってなかったっけ?って」
「横浜だけど?」
「そうか!」

上手くごまかせたか分かんないけど。
それでも私の話は適当に聞いてるようで
スマホをいじりだした。
人の話はちゃんと聞こうねって幼稚園で教わらなかったのか?

「あした11時から取れた」
「何が?」
焼き鳥を頬張る私に呆れた顔をして
「バンクシー展・・・行くって言ったよな?」
言ったけど・・・
「何?時間予約なの?」
「そーだよ」

へぇ!
イマドキは美術館も時間予約なんだ!

「でも11時か・・・」
化粧して・・・休日に化粧して!
着替えて待ち合わせして。
逆算すると起きる時間は9時か。
めんどくさいな。

「その後、ご飯でも食べるか」

ええ~
めんどくさいな
なんでこいつと2日連続でご飯食べなきゃいけない訳?

「そのあとどっか行く?」
「行かないよ!」
「そう?せっかく出て行くのに?プライベート充実させたいんだろ?」
「・・・・銀座はいいの?」
「は?銀座に行きたいの?」
「違う・・・」
「何言ってんだよ?分かるように話せ!」
「・・・武藤が良いならいいけど」

「良いから誘ってんだろ?」

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