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とにかく明るい彼女達
第4章 とにかく明るいクリニック
急に熱が39度を越えて身体が動けなくなり
かろうじて救急車を呼んだが
呼吸も苦しくなっていき
意識朦朧状態で搬送された
「…陽性です…」
「…搬送先が見つかりません…」
おそらく救急車内での会話が途切れ途切れに聞こえて来る
酸素マスクのお陰か呼吸は楽になった
「…フサナカさんところは?…」
「確認します………受け入れ可能との事です」
車が動き出した
フサナカ…
房中医院?…
近くにあったな…
いつかぎっくり腰をやった時、大家さんが紹介してくれて行った…
病院って言うより整体?
白髭のおじいちゃん先生に身体をゴキゴキされて、針を打たれ、お灸を施されたっけ…
痛かったなぁ…
ま、一発で治ったけど…

近くだったのですぐに到着し
病院内のベッドに移された
おぼろげな意識ながら
以前の整体院のような感じではなく
普通の病院のようだ
診てくれているのも女性医師で
女性の看護師が点滴を打ってくれ
深い眠りに堕ちた


明るさに目が醒める

頭痛や苦しさはないが
体は動かなかった
「…あ、東さん…先生、東さんがお目覚めです」
明るい声がすると
「どれどれ…」
キレイな医師が覗き込み
額に手を当て、手首で脈を診ながら
「どうですか?」
と訊ねてきた
「だいぶ…楽になりました…」
自分のとは思えない皺枯れたガラガラ声だ
「…熱は下がりましたね…もう少し安静にしていてください」
端正な顔立ちの医師は微笑んで
ストレートのロングヘアを掻き上げて耳に掛け
聴診器を僕の胸に当てた後
看護師に投薬の指示をして行った

なんだか甘く良い香りがする
美人な先生だと診てもらうだけで良くなりそうだ
「今度は右腕に点滴をしますね」
左腕の点滴を外していた看護師がそのまま右腕に処置を始めたが顔が見えない…
見えない訳だ
僕の真上には看護師の大きな胸がドーンとあるのだから…
これはまた元気がでるなぁ

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