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blossom
第20章 Love19:狂わせる男
結局、帰宅したのは子どもたちとほとんど同時刻だった。陸人も愛花もランドセルを置いて直ぐに外へ遊びに行ってしまう。

「気をつけてね!」

夕食の支度を済ませたころに、二人とも帰ってきた。

「今日、櫻井さんが泣いちゃったんだよ!」

口を尖らせて公園での出来事を報告してくれる愛花も、もうすぐ中学生になるかと思うと感慨深い。

陸人が宿題に手こずっていたので、ダイニングテーブルに座って一緒に取り組むことにした。

「あっ、ママ!明日ラップの芯持っていくんだった!」

「ラップの芯なんて、そんなの急に言われたってないよー」

「急にそういうこと言うのパパそっくり。」

愛花の鋭い意見に、みんなで笑っているところへ、ちょうど夫が帰宅してきた。笑いが絶えないというのは、こういうことを言うのだろう。

夕食の時間も、子供たちが競って自分たちの話をしてくれるので、夫まで二人の友達の名前を覚えてしまうほどだ。


10時をすぎて、お風呂上がりの夫が珍しくビールを開けた。私は、家事を済ませてから浴室へ向かう。

「ゆっくり温まっておいで」

夫の優しい言葉に甘えて、存分に湯船に浸かる。ヘアパックもして、かかとのピーリングもした。

一時間近く経ってからリビングに戻ると、夫はまたヘッドホンで何かを聞いていた。
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