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blossom
第21章 Love20:執着する男
「やめてよ、パパ!」

「パパ、お風呂でいっつも言ってるよねー」

「やだっ、ひくー」
愛花が私の方に駆け寄って、夫から離そうと腕をひっぱった。

「だって本当のことだから、しょうがないだろ」

笑っている夫の前で陸人が守るように立っている。
「そうだそうだ。僕はパパの味方だからね。」

「はぁ…ママは幸せだなぁ」
「そうだね」

「朝からイチャイチャしないでくださーい。」
愛花がわざと間をすり抜けてランドセルを取りに行った。

「今日はみんなで行ってきます、しよ?パパ」

「いいよ、じゃあ陸も、急いでランドセル持っておいで!」



リビングに残された私たち。
夫が念押しするように私の目を見た。

「必ず、だよ?」

目を閉じて頷いた。

(あなたがそれで私を欲してくれるなら…)




「行ってきまーーす!!」
「行ってらっしゃい。気をつけてね!」



三人一気にいなくなった静かな部屋で、一人ソファに座る。

手を伸ばしたスマホから、冴島さんにワンコールだけする。こんな朝早くから連絡したら、迷惑かもしれないから。


すぐにスマホが光って、冴島さんからの着信を知らせてくれる。

「さくらさん?」

「冴島さん…」

「もう会ってもらえないかと思っていました」

「そんなこと、ありえないです」

「あぁ…会いたいな」

「私も。すごく…会いたいです」
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