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blossom
第21章 Love20:執着する男
寝室のドアに手をかけたとき、スマホのバイブが震える音がした。

カウンターに置いた冴島さんのスマホの画面は暗いままだった。紳士の笑みを浮かべた冴島さんは、手のひらを見せ私のバッグを指し示す。

裸のままの私の肩に、さっきまで冴島さんが着ていたシャツをかけてくれた。

スマホの着信は夫だった。

冴島さんも一緒にそれを確認し、出るように促される。

「もしもし?」

[ 冴島といるの?]

「どうして?」

[ いいから、答えて]

「……うん」

[ っくそ……]

少し離れて私の表情を見ていた冴島さんが、近づいて足元に跪いた。

しーっと一本指を唇に当てると、腰骨の辺りに唇を触れさせた。

[ もうやった後?それとも、これから?]

「ちょっと…そんな…っ」
冴島さんの舌がツーッと滑り、思わず息が止まってしまった。

(ごめん)と冴島さんの唇が動き、また唇が移動する。

[ ちゃんと録音してる?]

「うん…っ…してるよ…」

[ …もしかして、今やってる最中か?]

「っふぅ……また、あとでねっ」
止めていた息をゆっくりと吐き出す。

[ 待って、さくらっ]

「なぁに?」

[ 電話切ったフリしてこのまま続けて]
冴島さんの舌はジワジワと私の核に近づいてきている。

「そんなの無理…」
そうは言ったけれど、ゾクゾクする興奮の予感がしていた。

[ 少し聞いたら切るから、頼むよ]

「じゃあ、夜ね」
そう言ってカウンターの上に伏せて置く。

まだ電話が繋がってるなんて思ってもいない冴島さんは、私の足を少し開いて顔を埋めた。
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