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blossom
第22章 Love21:私だけの男
「ねぇパパ、あのさ…」
やっぱり子供たちも一緒に、と提案しようと思った。

「もう待ちきれないよ、ママ。気持ちよくしてあげるから。」

「でも…こんな気持ちで…今日は…」

「じゃーん、見て!」
ベッドシーツをめくると、その下には見たことも無いシートが敷いてある。
「これでいくらお漏らししても大丈夫だよ!ほら、おいで。」

せっせとパソコンを片付けて、棒立ちになっている私をベッドに引き寄せる。

「愛してるよ、ママ。ずーーっと一緒だよ。」

(…私、一生この人の妻でいられるの?)


その夜、夫は私の中には一度も挿入せず、一時間ずっと私のことを舐め続けながら、二度ほど自分で射精していた。クリトリスを舐め続けられれば、物理的に私も絶頂してしまう。

レイプとはまた違うのだけれど、心の満たされない行為では、得られる快感にも違いがあるのだと知った。

夫は愛してる、私は自分のものだと行為中ずっと魔法の呪文のように繰り返していた。自分に言い聞かせていたのか、私に示したかったのかは分からないけれど。

隣で寝息を立てている夫に背を向けて考えこんでしまう。

(夫にこんなにも求められるようになったのに、冴島さんに惹かれているのって…やっぱり冴島さんの方が私を気持ちよくしてくれるという不純な理由からなんじゃないのかな)

(でも夫が求めてくれるのは、他の男に抱かれた私だから…。それが無ければ、結局また元通りの夫婦に戻っていくだけか。)

(愛花も陸人も連れて冴島さんのところに行くことができたら……。それは違う、私の幸せで、子供たちの幸せではない。)

夫の寝息が髪にかかる。

愛おしさとは違うのかもしれない…

これはなんだろう。




分かった。情、だ。
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