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blossom
第24章 The Last Love : 運命の人
夫の愛は深い。

深いからこそ熱く、そして果てしない。
嫉妬というベクトルに意識が向くと、そのどす黒い渦に二人とも飲み込まれてしまうのだ。


燃え盛る炎のような夫の執着を制御するために見つけた方法は、予想外に私の中に潜んでいた加虐心を浮き彫りにしてしまった。

私にこんな性癖があったとは…自分でも驚きだった。

涼くんに連れていかれたあの部屋での行為に血が沸き立つほど興奮し、記憶が飛ぶほどの快楽に溺れたのに…夫に対してはこんなに意地悪をしたくなってしまう。



夫の胸の中で鼓動に包まれたまま、思いをめぐらせていると、また優しい声に包まれる。

「さくらが何をしても揺るがないよ、受け止めるから安心して。全部出していいからね。大丈夫だよ。」

ハッとした。

夫が動けないのをいいことに、私は夫のことを試していたのかもしれない。

こんなことしても私のことが好き?
こんな風にするのが好きな私でもいいの?と


細かな傷だらけの夫の胸に唇を寄せた。

「俺でさくらが興奮してくれて本当に嬉しい」

初めに夫が縛れと言ったのは、自分を制するだったとは思う。でも、それによって私本位のセックスを知った。

「さくらがずっと笑っていて嬉しかったよ」

「私…笑ってた?」

「笑ってたよ。いつもとは違うセクシーな顔で。話す声もいつもとは」

「やだっ、やめてよ。怒るよ!」
途端に恥ずかしくなる。身体を起こして夫の口を手で塞いだ。
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