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blossom
第4章 Love3:若い男
「当たってる…」

「すいません…」

二人で軽く笑いあったあと、
「じゃあね」
靴を履いて、私は部屋を出た。


平気ぶってたけど、私だってドキドキしている。

(どうしようどうしよう…)
自転車を漕ぎながら何度も繰り返す。
(どうしよう…明日…)

フワフワした頭で家のことをなんとかこなした。



子供たちを寝かしたあと、ゆっくりと湯船に入って佐野くんのことを考える。

大きな手と太くゴツゴツした指で、どんな風に私に触れるのだろう。あの熱い塊はどんな風に私の中を行き来するのだろう。


夫のような抱き方をする男にはなって欲しくない。

山根くんのように情熱的に、冴島さんのようなねっとりとした舌で、あの筋肉質な身体で力強く…赤い顔をした佐野くんが私を貪っている様子を想像して、ジュクンと脈打った。

あの時冴島さんに言われてやったように、指で開いてみる。
「佐野くん…ここ…舐めて…」
小さな小さな声で囁いてみると、思っていた以上に興奮した。


佐野くんのハジメテの女になる、35歳の私を鏡に映してみる。


佐野くんはこの身体に興奮するだろうか。
もっと欲しいと求めてくれるだろうか。
あの若い身体を私が満足させられるだろうか。

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