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blossom
第4章 Love3:若い男
唇が重なると、佐野くんの手に力が入った。
「もっとくっつきたいっす」
「どうしようか…」
「押し倒しても、いいすか?」
「押し…」
フローリングに寝かされた私の上に、腕立て伏せをするみたいに佐野くんが唇を重ねようとする。
思わず笑ってしまい、佐野くんも横になるように促す。腕枕をしてもらう体勢でキスの続きをする。

居場所を探している腕には不器用に力が入っていたけれど、私の腰に回すように引っ張った。きっと私に当たらないようにだろう、腰の引けたかっこ悪い姿勢ではあったけれど、懸命に舌と舌をつつきあい絡ませあってくれた。

「ね、佐野くん、本当にハジメテ…なの?」
「あー…うー…その…」
「いいよ、本当のこと言って」
「先月…先輩に…女の人に…その…」
「女の先輩?」
「いえ、そうじゃなくて…女の人がしてくれる…店…っていうか…その…プロっていうか…」
「あっ、なるほど。そういうこと。」
「すんません…」
「なんで?謝ることないよ。」
「すいません…」
「どんなことしたの?」
「したっていうか、いや、もう、ただ一方的にされる感じで、自分は何もしないうちに…」
「うちに?」
「終わってた…みたいな…」
「本当はもっとしたかった?」
「つか、今、桂木さんにしたいっす。」
「何を?」
「分かんないっすけど、やばいっす。」
「やばい?」
「絶対に無理やりにとかしないんで、あの…触ってもいいですか?」
「どこ、触りたいの?」
「分かんないっす、とりあえず全部…」
「欲張りだなぁ」

佐野くんの大きな右手を胸に導いてみる。
「いいんすか?」
「いいよ…」
温かく包みながら、優しく揉み始めた。
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