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第11章 わかっていてもやめられない

「冬馬…こんなことしてて大丈夫？」

「平気や。
どうせまだ起きひん」

風呂から出て
俺は琴姉の部屋で
いや
琴姉のベットで
琴姉を抱きしめたままなんや

ほんまは
辰巳のことは気になってるけど
なんや今日は
どうしても離れられへんねん…

こんなことしてたら
俺はやっぱり
引越した方がええんちゃうか？
と、思うてくるから不思議や

なんでって
琴姉さえ遊びに来てくれたら
その間は
四六時中
恋人同士になれるからや

こうして添い寝して
抱きしめて
何度も何度もキスをしてられるんやから

「琴姉」

「ん？」

「さっき言うてたやろ？
依存症って」

「あ…うん」

「そんなんとはちゃうと思うで」

「……」

「ただなんか
満たされるんちゃう？
せやから
満たされんなるんが怖いとか…
まぁどっちでもええねんけど」

「…うん」

「もし依存症やっても
付き合うたるからな。
その依存症が治るまで」

できれば
治らんで欲しい

そしたら
俺は永遠に琴姉と
繋がってられる

ひどい男やな…

「ほんと？」

「ほんまや」

ほんまに…ほんま

「…ありがと」

「うん…なぁ…」

「なに？」

「俺、早う引越した方がええんやろか」

「どうしたの？急に」

「その方がもっと
琴姉の依存に応えてやれる気がしてきたんや。
嫌か？」

「…寂しい…かも」

「うん…せやな…」

俺も
寂しい

「冬馬」

「ん？キスして欲しいんか？」

「…うん」

俺もしたかったで

「素直で可愛らしいなぁ。
舌、出してみ」

「…うん」

小さな舌先を舐めると
琴姉は
必ず少し悶え始める

その悶えを感じとうて
俺は
何度でも舌先を舐め
そして
琴姉を抱きしめる

それがまるで
ルーティーンのように
何度でも繰り返す

そんな
俺達の
終わりのない儀式は
朝方まで続いた