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満たされないシェアハウス
第13章 満たされた寂しさ
「ただいま」

「辰巳、冬馬は?」

玄関の中に
辰巳が先に入ると
琴姉の声が
すぐに聞こえた

もしかして
ずっと玄関におったんやろか…

「おるで。
ただいま、琴姉」

「大丈夫?
殴られてなんかない?
辰巳、なんにもしてないよね?!」

「してねーって。
もううるせー」

辰巳は
さっきまで
俺達のことを
めちゃくちゃ心配してたのに
機嫌悪そうに
琴姉に悪態をついた

「ごめんな、琴姉。
俺、これから出ていくわ」

「え?
どこ行くのよ。
なんで?
どうして?」

「ちょっと…
気不味いしな」

「辰巳に何か言われたの?」

「ちゃう。
俺がそうする言うたんや」

そう言いながら
荷物をまとめに
部屋に入ろうとすると
琴姉は俺の腕を掴んだ

「……」

けど
琴姉は
なんも言わんまま
俺を見つめた

辰巳がおるからか?
せやから
なんも言えずにおるんか?

ごめんな

ずっと琴姉の依存に付き合う言うたのに
約束
守れんかって

「ちょっと
出ていく予定が
早まっただけや」

そう言うと
琴姉は
目にいっぱいの涙を浮かべた

俺かて
出て行ったりしたない
できれば
引越し先で
琴姉とまた会いたい

けど

辰巳のことを考えたら
いや
琴姉の将来のことを考えたら
『また、連絡する』
とは言えんかった

こんな関係が
ええわけないねんから

「琴姉、もうやめとけって」

俺がまごついてると
辰巳が琴姉に声をかけた

「黙っててよ」

さすが姉弟で
こういう時は
琴姉の口調もキツめや

「黙ってられるか!」

すると
イラついた辰巳が
立ち上がった

あかん
辰巳のブレーキ
効かんなってもうてる

「だいたい
琴姉が好きでもないのに
冬馬と変なこと
するからだろ!」

変なこと

そう言われて
琴姉は口をつぐみ
俺の腕を掴む手に
ぐっと力を込めた

「辰巳、言い過ぎや。
俺が悪いねんから。
すぐにココ出るし」

すると
琴姉は俺の腕から手を離し
黙ったまま
自分の部屋に
姿を消してしまった


それから数分後

俺も
シェアハウスを
後にしたんや

満たされるどころか
何もかも
無くしてしまうことになった
このシェアハウスを
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