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満たされないシェアハウス
第4章 シ・テ
その次の日
目が覚めると
ベットには
私、ひとりだった

冬馬…いつの間に起きたんだろ

部屋を見回すと
ローターは
きちんとした状態で
枕元にあり
冬馬だけが消えていた

え?
冬馬、いなくなっちゃったの?!

なぜか
冬馬が出て行って
しまったような気がして
私は飛び起きて
部屋を出た

すると…

「おはようさん。
よう寝てたなぁ」

冬馬が台所に立ち
笑顔で私に話しかけた

「あ…う、うん」

照れ臭い
猛烈に照れ臭い
どうしようもなく
照れ臭いじゃん!

それなのに冬馬は
ごくごく普通で…

「朝飯作るでー!
琴姉は
トーストに目玉焼きやんな」

「あ、う、うん。
あ、あたしさ
ちょっとシャワーしてくる。
汗かいちゃって…」

「あいよー」

え、何?
昨日の夜のこと
スルー?

ま、まぁ…
恥ずかしすぎて
スルーしてもらって
ありがたいんだけど
けどさ
ほんとはちょっと期待してたわけよ
朝、目が覚めて
冬馬が私の隣で寝ててさ
『今日もここで寝てもええ?』
とか
『琴姉、俺のことどう思てる?』
とか
なんかそーゆー流れに
なんないかなーって思ってたけどさ
バッサリスルーとか……

寂しくない?
寂しい…よね
それに
そんなこと考えてたなんて
とてつもなく
恥ずかしいよね

あたし、もう完全に
モニターってゆーか
単なる
市場調査要員ってゆーか…

「琴姉ー
もうトースト焼いてええ?」

「あ、うーん。
すぐに出るからー」

いやだからさ
シャワーとかしてる時
サラッと脱衣所に入ってくるの
やめてくんない?
また準備してた下着
見られちゃったじゃん!

まぁ…
冬馬からすれば
興味なんて
ないのかもしれないけど…

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