この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
満たされないシェアハウス
第5章 ダ・レ
「やだ…どうしよう…」

私は
目の前に並んだ料理を見つめながら
思わず独り言を呟いてしまった

だって
さすがに異常だもん
この量…

悩み事があると
ついやっちゃう悪い癖
料理をしてる時は
余計なことを考えないから
冷蔵庫が空っぽになるまで
料理しちゃうんだよね…

ま、いっか
今日は辰己が来るって言ってたし
冬馬も出張から
帰って来るはずだし

てゆーか…
冬馬、何時に帰って来るんだろ

『ピーンポーン…』

あっ…冬馬?
いやいや冬馬鍵持ってるもんね
辰巳だな

「はーい」

と、のぞき穴から外を確認すると

「え…」

嘘、嘘でしょ?!
なんで…

「…俺」

ドアの向こうに立っていたのは

黒田さんだった

「……」

「会いたくなって」

どうして…
どうして会いになんて来られるの
私のことなんて
好きじゃなかったんだよね?!

内心怒りが込み上げてきたけど
それを言葉にはできなくて
ギュッと奥歯を噛み締めると
黒田さんがドアを叩き
少し大きな声で私の名前を呼んだ

「開けてくれないか、琴音」

「か…帰って下さい」

絞り出した声が
震えてるのが分かる

「話したいことがあるんだ
頼む、琴音!ドンドン!」

「大きな声、出さないで」

「琴音!」

や、やだ
うるさくしないで

「やめてっ…」

「琴音!!」

「待って……開けるから」

もちろん
話を聞くつもりはない
けど
近所の目が気になった私は
つい…鍵を開けてしまった

ガチャ…

「琴音…久しぶり…」

「待って」

玄関の中に入ろうとした黒田さんに
私がそう言うと
黒田さんの動きはピタリと止まり
少し…切なそうな顔で
私を見つめた

やめて…
そんな顔で見ないでよ
いつも言ってた
あのセリフを思い出すじゃない

『家には帰りたくないんだ、琴音…』

私は
そのセリフをかき消すように
2、3回首を小さく横に振って
口元に力を入れた

「琴音…俺…」

「………」

「離婚したんだ」

/203ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ