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蜜月非行【1】 〜フリーズ・破廉恥ショー〜
第17章  セクシャル テイスト
 …
 その美女は、優夏のいるカウンターにやって来た。
 そして一席空けて、優夏の隣に座った。
「いつもの、お願い」
「かしこまりました」
 店主がカクテルを作り始めた。

 帰るタイミングを逃し、グラスを見つめる優夏。
 “こんな綺麗な人も来るんだ…”
 “常連さんみたいだけど…”
 “やっぱ、エッチが目的なのよね…”
 などと考え、ゆっくりと美女を見る優夏。
「あっ!」
 その美女と目が合い、思わず声が出る。
「ふふっ、こんばんは」
「こっ!こっこっこんばんは…」
 緊張しながら、挨拶を返す優夏。
「わたし、由利子」
「あっ、わっ、わっ、わたし優夏です…」
 突然の自己紹介に、慌てふためく優夏。

「優夏ちゃんか…可愛いわね」
「えっ!いやっ、そんなことないです…」
「ねえ、隣いいかな?」
「あっ、はっ、はいっ…」
 すると由利子は、優夏のすぐ横に移ってきた。
 優夏に緊張が走る。

 そこにカクテルが登場。
「マティーニです」
「あら、ありがとう」
 出されたカクテルに、口をつける由利子。
 そんな大人な雰囲気に、優夏の緊張は更に増していた。

 一口飲み、グラスを置く由利子。
 優夏のグラスが空いていることに気付く。
「やだっ!空いてるじゃない」
「えっ!いやっ…」
「同じものでいいの?」
「あっ、もう…」
「マスター!おかわりお願い」
 有無を言わさず、おかわりが注文された。

 こうして優夏は、完全に帰るタイミングを逃したのだった。
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