この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
転生悪役令嬢は甘く、乱される。
第4章 傷を孕む、義弟との出逢い
――ラドルフ・クレイモラン。
年はリディアンより数ヶ月遅く生まれただけで、年齢としては同い年。
夜の宵闇のような漆黒の黒髪に、一際映える、金色の瞳。
顔を隠すように伸ばされた前髪のせいで、その瞳は見えないものの、一度目が合うと離せないような……不思議な引力を持っている。
すらりとした出で立ちで、人を寄せ付けないような空気を醸し出しながら――クールで格好いい、と実は影ではモテているらしい。
私がゲームをやって、知っている中でのラドルフのざっくりした情報は……こんなところかな。
えっと、レイ王子以外の二人は、一通りハッピーエンドとバッドエンドまではクリアはしてて。
確か……そのプレイ後情報によると。
どうやら、ラドルフとリディアンは血は繋がっておらず、正式には遠縁の親戚の子という間柄だったらしい。
しかし、その親元が事故で亡くなり、リディアンの両親が引き取り手として名乗りを挙げた。