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見られたせいで。
第2章 聞いちゃった
 私立桜ノ宮学園に通う生徒の9割が初等部からのエスカレーター組だ。中には幼稚園から桜ノ宮という純血種もいる。難しい試験を受けて中等部に入って来るのは毎年10人前後だそうだ。そういう外部入学者はエスカレーター組からすれば異物であり表だった苛めこそないものの水面下では「外様」と差別区別している人間が多いそうだ。お嬢様も一皮剥けばただの人ってわけだ。
 その外様の中でも一番異質なのが二年の一学期から若葉のクラスに転入してきた「古森京花」だった。彼女の母も祖母も桜ノ宮で京花も初等部に通っていたのだが父親の仕事の関係で三年生の時に転校。中二で帰ってきて再入学したという変わり種だ。学力テストでは少し点が足りなかったが剣道全国トップ3の実力を買われ下駄を履かせて貰ったという悪意ある噂がまことしやかに流れているそうだ。その剣道も他の部員との実力差が有りすぎて幽霊部員になってるそうだ。
 「待て待て。」
 ここまで聞いて待ったをかける。湯船から出て若葉からシャワーを取り上げると頭から水を被る。飛沫が飛び若葉が冷たい!と文句を言うが知った事ではない。危ない。もう少しでのぼせるところだ。
 「その話あと10分じゃ終わらないだろ?帰る時間だぞ。」
 俺だってなにも早く帰したいわけではないが親御さんの不況を買い出入り禁止なんて事になったらたまらない。法律は破っても個人との約束は守るのだ。
 「大丈夫。先生に友達の事で相談があるから晩御飯一緒に食べて帰るって言ったらご飯代に二千円くれたよ。あれ?お母さんからメール来てない?」
 身体も拭かずにスマホに走る。あ、有った。集中するためにマナーモードにしてる授業中に来たんだ。21時には帰してくれか。
 「若葉!一時間以内で話してくれ。」

 兎に角なんだかんだあってクラスの中で浮いてしまっているそうだ。直接的な苛めはないが誰もが腫れ物に触るような態度で接する。若葉曰く「やんわりした村八分」らしい。最近では体調が悪いと言って時折保健室で自習してるそうだ。
 「若葉と一緒に勉強みてやる位なら出来るけど」
 「ダメだよ!」
 ?そういう相談じゃないの?
 「京花さん来たらエッチ出来なくなるじゃない。」
 そりゃそうだ。俺が書店のバイト休みなのは土日だけだ。若葉と一緒にじゃないと家庭教師は出来ない。
 「話はここからでね。」
 
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