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夏休みチンポ争奪戦
第1章 夏休み前日(1学期終業式の日)
チャイムが、鳴った。
これで、ようやく1学期が終了。
明日からは、夏休みだ。この夏は、毎日学校に登校しようと決めている。図書室に通い、勉強するのだ。

「うん?」
僕は、周りがちょっといつもと違うのに、気づいた。
僕は、かなりぐずぐずとし、ゆっくりと行動するのが習慣。いつもなら、終礼の後、教室は僕ひとりだけになる。
それが今日は、男子は僕以外いなくなったが、女子がほとんど全員、教室に残っていた。

女子だけで何か集まって何かをするのだと思い、僕は帰り支度をようやく終えると、立ち上がった。
「!」
クラスじゅうの女子が全員、僕の座席から教室の出口までの間に、両側にずらりと列をなして花道のように並んだのだ。
え?何これ?
女子たちは、みな僕の顔を穴のあくほど見てる。というか、なにかこう、僕に声をかけてくれかけてくれみたいな表情を、皆している。
いったい、何なんだ?

僕は知らんぷりをして、教室の出口から外に出た。
背後で
「はああああ~~~」
みたいなため息が、巻き起こっていた。
そして廊下に出て、またまたビックリ。

僕の教室は、その校舎の3階の西端で、下への階段は東端。その間に教室が5つ並んでいる。
その廊下が、なんと、先ほどの教室内と同じく、全員女子だけで両側にずらりと並び、花道を形成していた。
いったい、これは何なんだろう?
女子たちの表情は、クラスの女子たちと同じく、声をかけてくれかけてくれと懇願するような。

僕はとりあえず無視して、歩き出した。
僕が通り過ぎると、背後からスゴイため息の山が
「はあああああああああ~」
と聞こえた。

やがて廊下の中ほど、3組の教室の前に通りかかると、そこにかわいい女の子がたたずんでいた。
中2の時の同級生で、じつはちょっとしたことから色目を送ってしまい、以来その子は僕に夢中になってしまい、僕はその子の心を惑わしてしまった罪悪感にとらわれていた。
「トモキくん♡」
彼女は自信にあふれたようすで、僕に話しかけてきた。女子たちが、一斉に彼女を怖い目でにらむ。
「明日、家にひとりなの♡一緒に勉強したい♡」
彼女、ユキには色目を送ったことを謝らなければと思っていたので、僕はいい機会だと思い
「いいよ、ユキちゃん」
とOK返事をした。

「うおおおおおおおおおおおおおー」
周辺から、すごいどすの効いた唸り声のような音が、した。
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