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地味子が官能小説を書いたら
第12章 プロローグ
車は八王子方面へ向けて走っていた。

(よんでくれ……なんだろう?)

車内にはいつものように静かにジャズが流れている。

(よんでくれ……まさか?!)


「小机君、運転してもらっているのに、ごめんなさい、わたし、どうしても今、スマホを見たくて……良いかな?」

「うん、大丈夫だよ、気にしないで」

「ありがとう」

私は、スマホの画面から、私が小説を投稿しているサイトを開いた。

文剛が書いていた小説は、更新が止まっている。私はブックマークしていた文剛の小説を開いた。


(! 題名が変わっている)

文剛は不倫をテーマにした小説を書いていた、ところが、小説の題名が以前のものと変わって、『天然色彼女』となっている。

(この題名…… !)

そうだ、文剛の下書きノートを開いたときに見かけた小説のタイトルが『天然色彼女』だった。


心臓が飛び出そうなくらいドキドキする。

私は、小説を開いた。



直ぐに第一章の章名が目に飛び込んでくる。




---------- 【天然色彼女】第一章 放課後の図書館① ----------

僕は、大学2年生の地味な男子、井川健吾だ。

これでも一応、小説家を目指している。


僕には、1年ほど前から思いを寄せている女の子がいる。

その女の子の名前は、初瀬花梨。僕と同じ大学に通う同級生だ。

彼女は、僕に負けず劣らずの地味な女の子で、お世辞にも美人とは言えない。でも、僕は彼女に恋をしている。


彼女の存在を知ったのは、彼女が小説を投稿しているサイト。そこで彼女の作品を読んでからだ。

彼女の作品は、愛に溢れた優しい物語だった。僕は、その物語を読んだとき、その作者が実際にどんな人なのかも分からないまま、恋に落ちた。

どんな人なのだろう?

きっと、純粋で、素直で、心優しい女の子に違いない、僕は、彼女の物語を何度も読み返しては、まだ見ぬ彼女の姿を想像した。



その彼女が、まさか僕の直ぐ身近にいたなんて、僕はその時、神様って本当にいるんだと、感謝した。


大学のサークルの懇親会が開かれたのは去年の事だ。

僕の所属する文藝サークルは、野良サークルで、年に数回の懇親会を開くだけの幽霊サークルと化していた。

その懇親会に出席していた同級生、初瀬花梨が、僕が恋した物語の作者だったのだ。




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