この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
地味子が官能小説を書いたら
第8章 いつわりの日々
「うむ、実は桐谷には写真撮影のモデルをやってもらっていてな」

「モデルって、ここって写真撮影もするんですか?」

「元々は、コスプレがメインだったんだが、だんだん過激になってきて、最近では水着姿を撮らせてもらったりしている」

「まあ、完全に我々の趣味の世界だがな」

「それで、その撮影にお金がかかるんですか?」

「まあ、そういう事だな、モデル料として払っている」

私は驚いた。私は1文字2~3円の原稿を書いて僅かなお金を得ているというのに、美人は写真を撮らせるだけで私の何か月分も稼ぐのか、と。

それにしても、だからと言って、私を見下さなくても良いのに……
ちょっと悔しかった。

「あ、そうだ!わたし、クッキーを焼いてきたんです、皆さんに食べてもらおうと思って」

そう言って、私は持ってきたタッパをテーブルの上に置き、蓋を開けた。


部員たちの視線がタッパに集まり、一瞬の静寂の後、『おおおおお!!!!』と驚きの声があがった。

「あ、あの、どうぞ召し上がってください……」

恐る恐る、手に取る部員たち、再び戻った静寂の中、カリカリ、モグモグという口を動かす音だけが流れた……


誰もが黙ったままだった。

私は、美味しくなかったのだろうか?と不安になる。

そのうち、すすり泣きをする部員が現れ、益々不安になった私であったが、向島が「お嬢、美味しゅうございました」と言ってくれたことで安堵した。

「部長、僕、初めてです、女の子の手作りのお菓子を食べたのは……う、う、生きていて良かった」

「部長、俺は今、猛烈に感動してます、もし今、隕石が衝突して地球が滅亡しても、我が人生に一片の悔いもありません」

「言うな、皆、同じ思いだ……」

(男の人って、不思議だ。こんなことで喜んでくれるなんて)

私は苦笑せずにいられなかった、そして、文剛にクッキーを渡した時の事を思い出した。

(そういえば……文剛君もすごく喜んでくれたっけ……)


(いけない!)ブルっと、自分の中に押し寄せてくる感情をごまかすため、私は何か行動しなければと思った。

「そうだ、せっかくだから、コーヒーでも入れてきます、そこのカップとインスタントコーヒーをお借りしても良いですか?」

「あ、じゃあ、俺も手伝いますよ」

「お願い」

私は、流留を連れ立って給湯室へと向かった。





/130ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ