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地味子が官能小説を書いたら
第9章 モダンガール

桐谷は、文剛と腕組みして、渋谷の方へ歩いて行く。
「あの背の高い人と待ち合わせみたいですね、でも、珍しいな~」
「何が」私は動揺を抑えつつ、興味を示す。
「俺も部長や他の先輩から聞いただけなんで、本当かどうかは分からないんっすが、桐谷先輩って、今までに100人以上をふってるらしいんですよ」
「そ……そうなんだ……」
「ああやって学内で男の人と腕組みするなんて、ついに恋人ができたのかな?」
(まさか……)
ここで、私の中でパズルがそろう。文剛が好きだと言った相手って、桐谷ではないのだろうか、そして先日、私が『好きな人に勇気を出して告白しろ』と言ったことで行動を起こしたとしても不思議はない。
「花音先輩、どうしたんです?行きましょうよ」
流留に促されるが、足がすくんで動けない。
「わたし……あの人、苦手」
「ああ~、俺も苦手っすよ、控えめに言っても嫌いっす」
「ねえ、こっちから行こう」私は、渋谷駅まで遠回りになる道に流留を誘う。
「え~、遠くなるじゃないですか、桐谷先輩なんて、放っておきましょうよ」
「お願い流留、わたしを助けると思って」
「もう、めんどくさい人だな~」
ちょっとしたことで動揺する自分が嫌になる。いつまで、こんな事をしてるんだろう、私は。
「ごめんなさい、今日、桐谷先輩にいきなりマウント取られたから、怖くて」
「そういう花音先輩の可愛いとこ、好きっすよ」
「あ~、そうやって『好き』『好き』言われると、言葉の重みがどんどん軽くなるんだから」
「ちぇっ、ホントめんどくさいな~」
「そうよ、わたし、めんどくさい女なの」
「ところで、明日、用事って何なんすか?」
「え?」
「え~と、デートなんだ……あ、と言っても、お友達と」
「ええええーーーー、でも、男の人と二人で出かけるんすよね?」
「う、うん」
「なんか、俺、複雑だな~」
「何でよ、日曜日は流留と一緒にいるんだし、良いじゃない」
「じゃあ、今のところ、その人と俺が花音先輩の彼氏に最も近いんですかね」
「……」
「いや、沈黙しないでくださいよ、俺が候補に入ってないのは分かってますから」
「流留がじゃなくて、今は、男の人を好きになる気分じゃないかな……」
「花音先輩、『今は』って、以前は『好きな人』がいたんすか?」
「……」
「あの背の高い人と待ち合わせみたいですね、でも、珍しいな~」
「何が」私は動揺を抑えつつ、興味を示す。
「俺も部長や他の先輩から聞いただけなんで、本当かどうかは分からないんっすが、桐谷先輩って、今までに100人以上をふってるらしいんですよ」
「そ……そうなんだ……」
「ああやって学内で男の人と腕組みするなんて、ついに恋人ができたのかな?」
(まさか……)
ここで、私の中でパズルがそろう。文剛が好きだと言った相手って、桐谷ではないのだろうか、そして先日、私が『好きな人に勇気を出して告白しろ』と言ったことで行動を起こしたとしても不思議はない。
「花音先輩、どうしたんです?行きましょうよ」
流留に促されるが、足がすくんで動けない。
「わたし……あの人、苦手」
「ああ~、俺も苦手っすよ、控えめに言っても嫌いっす」
「ねえ、こっちから行こう」私は、渋谷駅まで遠回りになる道に流留を誘う。
「え~、遠くなるじゃないですか、桐谷先輩なんて、放っておきましょうよ」
「お願い流留、わたしを助けると思って」
「もう、めんどくさい人だな~」
ちょっとしたことで動揺する自分が嫌になる。いつまで、こんな事をしてるんだろう、私は。
「ごめんなさい、今日、桐谷先輩にいきなりマウント取られたから、怖くて」
「そういう花音先輩の可愛いとこ、好きっすよ」
「あ~、そうやって『好き』『好き』言われると、言葉の重みがどんどん軽くなるんだから」
「ちぇっ、ホントめんどくさいな~」
「そうよ、わたし、めんどくさい女なの」
「ところで、明日、用事って何なんすか?」
「え?」
「え~と、デートなんだ……あ、と言っても、お友達と」
「ええええーーーー、でも、男の人と二人で出かけるんすよね?」
「う、うん」
「なんか、俺、複雑だな~」
「何でよ、日曜日は流留と一緒にいるんだし、良いじゃない」
「じゃあ、今のところ、その人と俺が花音先輩の彼氏に最も近いんですかね」
「……」
「いや、沈黙しないでくださいよ、俺が候補に入ってないのは分かってますから」
「流留がじゃなくて、今は、男の人を好きになる気分じゃないかな……」
「花音先輩、『今は』って、以前は『好きな人』がいたんすか?」
「……」

