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レンタル彼氏。~あなたがいるだけで~
第5章 別離、それとも~切な過ぎる夜に~
やはり美奈恵の目論見が当たったのか、婚姻届そのものを弁護士が見ることはなかったようである。仮に見ていたなら、肝心の花婿の名前が祖母の知りもしない男のものと入れ替わっていることに気づいたはずだ。
美奈恵はケータイを閉じると、眼を瞑った。シートに背をもたせかけ、深い息を吐いた。
終わった、すべては終わったのだ。
隣に座る剛史がちらりと美奈恵を見たが、美奈恵は真っすぐに前を見据えたままだった。