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化け物
第1章 化け物
「もうつかれた」
お父さんに引き取られ病院から帰宅した聡に、お母さんは背を丸めたまま力なくそう言った。
聡が自分の首に包丁を突き立てたのは、少年院から退院してきた日の晩のことだった。
だから、聡が我が家に帰宅したのは2週間ぶりということになる。首に巻かれた包帯が痛々しい。
聡は死ぬことが出来なかった。
赦されなかったのだ。
お父さんは、虚ろな目をして俯いている聡の肩をしっかり抱きながら、
「何を言っている。そもそもお前が悪いんだ。
この子があんなことをしないよう、しっかり見張っていてくれなきゃいけなかったのに」
お母さんに責任転換して心を守ろうと努力していた。
聡は生まれつき、化け物だったのだろうか。
それとも、いつの間にか化け物になってしまったんだろうか。
お父さんに引き取られ病院から帰宅した聡に、お母さんは背を丸めたまま力なくそう言った。
聡が自分の首に包丁を突き立てたのは、少年院から退院してきた日の晩のことだった。
だから、聡が我が家に帰宅したのは2週間ぶりということになる。首に巻かれた包帯が痛々しい。
聡は死ぬことが出来なかった。
赦されなかったのだ。
お父さんは、虚ろな目をして俯いている聡の肩をしっかり抱きながら、
「何を言っている。そもそもお前が悪いんだ。
この子があんなことをしないよう、しっかり見張っていてくれなきゃいけなかったのに」
お母さんに責任転換して心を守ろうと努力していた。
聡は生まれつき、化け物だったのだろうか。
それとも、いつの間にか化け物になってしまったんだろうか。

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