この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
† 姫と剣 †
第1章 お忍び


ルシアに剣を突きつけるリューイのことは、マヤもなんとなく覚えていた。


悪い人ではなかったはず、なのに、なぜ今こんなことになっているのか。


マヤはガクガクと震えながら、「ぶ、無礼者!!!」とリューイに向かって叫んだ。



「なんだお前は、こいつの仲間か」


「こ、こいつっ……!? ですって⁉︎」



目を見開いたマヤは、何も分かっていない様子のリューイに腹を立てる。



「いいから今すぐ、そ、その剣をしまいなさい!! 」


「マヤっ……」


「そのお方の名はっ……ルシア…っ…、ルシア=ウェルズ=ローハーグっ……」



カタカタと震えながら、マヤが言った名に、リューイは大きく目を見開く。



「こ、この国の姫君ですよ!!!!!」


「─────────…!」



思いもよらぬ事態にリューイは剣を下げながら、後ずさる。


ローハーグの姫……




「ル、シア────」



リューイはそれだけ反復して、剣を静かにその場に落とす。


緊迫した状況が解かれると、マヤは急いでルシアの元へと駆け寄った。



「ルシア様っ……お怪我は……っ」



マヤに支えられてルシアは立つと、ルシアは静かに泣きながらリューイを見つめた。



「ごめんなさいっ………リューイ……っ。騙すつもりはなくてっ……」



ルシアの言葉にリューイは固まったままで何も発しない。


こんな風に終わってしまうなんて……


足枷でしかない姫という身分に、虚しさが込み上げる。



「ルシア様、帰りますよ」



呆然としたままのリューイからルシアは仕方なく視線を外した。


そして、そのままルシアとマヤは王宮へと戻っていった。

/315ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ