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ハニードロップ
第5章 人生のゴール
 それから何回かイかされて、ようやく満足したらしい博也くんはいつものように私を甲斐甲斐しくお世話して隣に横になった。

「博也くん、今日の言葉責め変態っぽかったよ」
「だって俺変態だもーん」

 博也くんは私の頭にスリスリと頬を寄せて、抱き締める。

「孕ませるって言葉なんかめちゃえっちじゃない?」
「そう?」
「うん、奈子ちゃんのお腹いっぱいになるくらい精子注ぎ込みたいなぁ」

 博也くんなら本当にやりそうで怖い。

「俺さ、奈子ちゃんに初めて会ってから誰とも付き合ってないの」
「え、うそ?」
「つまり、5年間も精子溜め込んでたの」
「一人でしてたでしょ」
「それはもちろんしてたけどさぁ。女の子としなかったから、奈子ちゃんに5年分の精子受け止めてもらわなきゃって思うじゃん」

 ……思うのか?

「博也くんって意外とモテないの?」
「グサッとくること簡単に言うね……。まあ、子どもの頃から俺よりモテる奴身近にいたからそんなに。俺自身女の子にモテたい!って言うより男友達と遊んでるほうが楽しかったしそんなに興味もなかったかな」
「でもこの仕事してたらモテるでしょ?」
「うーん、まあ、それなりに。でも仕事が楽しいから彼女欲しい!!って思うこともなかった。奈子ちゃんと出会ってからは頭の中仕事以外は奈子ちゃんばっかだったし」

 私は本当に、出会った時失礼なことを思っていたんだな。大人気の俳優さんだから一夜限りの関係なんてよくあるだろうなんて。再会できて本当によかった。

「それにしても、博也くんよりモテるって何者」
「ふふふ、驚くなかれ」
「えっ、何?」
「俺双子なんだ〜!」
「双子……え、こんな綺麗な顔がもう一つ?」
「まーねー。顔そっくり。小さい頃から俺より兄ちゃんのほうがモテたの。でも兄ちゃんモテすぎて大変そうだったから全然羨ましくなかった」
「そうなんだ……」
「今は奈子ちゃんにモテたら大満足。あー、もっと奈子ちゃんにモテたいなぁ。モテモテになりたいなぁ」

 ぎゅうっと抱き締められる。私は今動けないので博也くんのされるがままだ。

「友也にもいつか会わせてあげるね〜。顔一緒で面白いよ」

 お兄さんは友也という名前らしい。博也くんに抱き締められたまま目を瞑る。明日の仕事、ちゃんと行けるだろうか。
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