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悪魔から愛されて
第6章 悪魔の力

私は力を振り絞り…部長を押して口づけから逃れた…

この感触…

私の体は求めていた…




なんで…




「やっと見つけた…愛しいリリス…」

「…えっ…今…何て言ったのですか…」

「ずっと…君を探していたんだ…君は俺を知っているはずだ…」




龍崎部長の目は優しくなり、見つめられると動けなくなる…



あなたは誰なの…



「君の体は俺を欲しいと言っているはずだ…理性はいつまで俺を避けられるかな…」

「私には彼氏がいます。裏切るわけにはいきません。それに…部長を欲しいなんて…思うわけが…」

「…本当に思わないの?…そう…じゃあこれ以上、無理強いはしないよ…」


部長はいきなり私を離して、背を向けた…

何故か離れた体が寂しかった…

体はぞくぞくと中から火照っている…




私…今…この背中に抱き着きたいと思ってる…だめ…





部長は背を向けたまま静かに話し始めた…

「西条さんは…君の勇気と気持ちに免じて…解放してあげるよ…このままだと命も取ってしまうから…」

「…えっ…」

「西条さんは友達思いの、良い友達を持ってたね…」

「…龍崎部長…私…」

「鈴木さん、話が済んだら早くお帰り…僕も我慢がいつまで出来るかわからないよ…」

私は深くお辞儀をして部長室から出た…

いろいろな事がありすぎて、頭の中がぐるぐるする…



気が付くと、私の携帯電話が着信を点滅で教えていた…
着信は、京子だ…慌てて私は京子に電話してみた…

「…あっ、京子。電話くれた?大丈夫?」
「…うん。なんかさぁやっぱり急に彼氏に会いたくなっちゃって…これから早速遊びに行くの…龍崎部長は諦めるよ。一応…恵美には伝えたくてね…バイバーイ。」

いつも通りの…自分だけ言いたいことを言って切る電話…

京子…よかった…元に戻ったんだ…
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