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悪魔から愛されて
第15章 嫌な予感
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今日は健斗の退院の日、私は病院へと向かった。
病室のドアを開けると、退院の支度を整えて健斗がベットに座っていた。
「健斗、おめでとう…良かったね…」
「恵美…ごめんな。心配かけたよな…」
「…いいよ。健斗がこうして元気になってくれて…それだけで嬉しいよ…」
健斗…良かったね…
ベット横のカーテンに、少し隠れるようにして健斗が抱き寄せる。
健斗の香り…
爽やかな柑橘系の香りに落ち着く…
いつもの大好きな香りだ…
私達が病院を出ようとした時、後ろから声がした。
「高山さん、退院ですか?」
振り返ると、花束を持った女性がいた。
「あぁ、三枝さん…」
健斗の知り合いのようだ…
花束を見て、私は気づいた。
…この花、赤い薔薇…この前も健斗の病室に…
「高山さん、退院なのですね、おめでとうございます。」
「ありがとうございます。わざわざ来てくれたのですか?」
「はい、心配で…でも良かったです。…この花束をお荷物になりますが、どうぞ…」
「ありがとう…ございます。」
「あ…あの…彼女さんですか?」
「…うん。僕の大切な人(女性)です。」
「…そうですか…」
「それでは、また仕事で伺うと思いますので、失礼します。三枝さん。」
「…お待ちしてます…」
その時、三枝さんの目は私を見ていた…
…何故か…怖い…この人…
「健斗、今の女性は、会社の知り合い?」
「…うん。取引先の社長のお嬢様なんだよ…」
「あの人…健斗のこと好きなんじゃないかな…」
「実はさぁ…前に社長から紹介されてさぁ…すぐに俺は断ったので、社長は納得してくれたみたいだけど…」
「そうなんだ。…赤い薔薇…深い愛情の花言葉あるんだよ…」
「恵美…気にし過ぎだよ。それに俺は恵美だけだよ。」
…健斗の言葉に嘘はない…でも…
…嫌な予感がする…
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