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不倫研究サークル
第12章 女社長
「また見てる 笑
なに? お風呂上がりの女の子にドキっとした?」

「あ、いえ、そんなんじゃないです。 あ、そうだ! どうせなら洗濯しませんか?」

明日、汗の臭いのする服を着て登校させるのが気の毒になり、僕は提案したのだが、愛莉は否定的だった。

「今、何時だと思ってるのよ? こんな時間に洗濯機を回すつもり?」

確かに、既に10時を回っている。この時間に洗濯機を回すのは近所迷惑だ。

「だったら、近くにコインランドリーがあります。そこなら大丈夫でしょ」

「ありがとう、ホント、気が利くね、 森岡君って」

コインランドリーは、僕が住むアパートから歩いて5分のところにある。

先ずは洗濯しようと言う事になり、僕と愛莉は連れ立って表に出た。


「あ~、湯上りの夜風って気持ち良いね」

愛莉は、また僕の腕に手を絡めて歩いていた。彼女から石鹸の匂いがする。心地よい匂いだった。

「森岡君って、ホント、女の子慣れしてるよね? わたしに腕を組まれても全然ヘイキそうだし、そもそも、わたしが泊まるというのに、何かしようという気配が全くないもの」

「もしかして、わたしに魅力がない……からだとか」

愛莉は悪戯っぽく、僕を見上げた。

「それは、川本さんが、そういう気がないのが分かっているからです。 なんとなく分かるんです、そういう空気だってことが」

「へ~、そこまで分かっているんだ。 やっぱり、コンドームは必要なかったな~」

「え?」

「信じていたけど、一応、森岡君が欲情した時のために買っておいたんだ 笑」


(そういう事か……)

「あはは、無駄になっちゃいましたね」

「まあ、カレシとするときに使うから良いよ」

『カレシ』というワードに、僕は思わず反応する。

「あ、わたし、カレシがいるの……。 ガッカリした?」

「え、ええ。 少し」

「お相子じゃない。 森岡君にも好きな人がいるし」

僕が好きな人……、小梢の顔が浮かび、慌てて首を横に振る。

「でも、わたし……、少し森岡君の事が好きになったかな」

「僕もです。 川本さんって良いな……って感じてます」

「フフフ、じゃあ、お互い二番目同士だ……ね」

愛莉は、そう言うと僕の肩に頭を乗せてくる。冷たい印象だったけど、こうやって打ち解けてきたことで、益々、僕は愛莉が可愛いと思えていた。




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