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不倫研究サークル
第13章 それぞれの道
「小梢がいないって、どういう事だよ?」

「あ~あ、せっかく盛り上がってたのに、しらけちゃった」

陽菜は、荒くなった呼吸を整えると、起き上がり衣服の乱れを直して、そこで大きく息をした。

「大丈夫か? 陽菜」

「ちょっと、トイレ貸して。 その後に話すから」

暫くして、陽菜は戻ってきたが、腰をモジモジとして落ち着かない様子だ。

「本当に大丈夫か?」

「う、うん……、キスされただけなのに、凄く気持ち良かった。
し、下着が……、汚れちゃった」

直接的なことは行っていないが、陽菜にはちょっと刺激が強すぎただろうか? と少心配になる。

「そ、それは、すまなかった……」

陽菜は僕に抱きついてきて甘える。僕も優しく抱きしめた。

「ね、高校を卒業したら、最後までしてね」

三年後、陽菜がまだ僕を好きだとは思えないが、いちおう確認する。

「もし、僕にカノジョができていたら、どうするんだよ」

「え? そんなの、別れてもらうよ」

「なんで、そうなるんだよ?」

「だって、ワタシ以上に可愛い女の子なんて、小梢さん以外にいないでしょ?」

「随分な自信だが、小梢には負けを認めるのか」

「う~ん、まあ、それも現時点では、だけどね 笑」

たいした自信家だが、たしかに、これから先、陽菜はもっともっと可愛く、綺麗になっていくだろうと僕は思った。

「だからさ、そのアイリって子も今だけだよ。 ワタシが追い出してやるんだから」

これは……、絶対に愛莉と陽菜を遭遇させてはいけないと、僕の中で重要課題が出来上がる。

それよりも、今は小梢の情報が気になった。


「で、そろそろ、教えてくれないか、ビッグニュースとやらを。 なんで小梢がいないんだ?」

「小梢さんね、地元の国立大学へ編入したんだって」

「え!?」

「だから、もう東京には居ないよ」


小梢が故郷へ帰った……。




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