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不倫研究サークル
第15章 帰省
「土門さんの遺書と日記は、土門さんのお母さんから一任されていました」

美紗が、少し落ち着きを取り戻したのか、小梢に遺書と日記を渡した経緯を話出した。

「私にできる最後の事は、雪村さんに生きる希望を、目標を持ってもらう事でした」


小梢が語った、病室での事を思い出す。


「正直、あの遺書を渡してよいものか悩みました、でも、雪村さんが何かを感じ取ってくれて、それで生きる目標を持ってくれればと……」

「ダメな教師ですよね、ボールを雪村さんに預けて、私は逃げ出したんです」


そこまで語ると、美沙の頬を涙がつたった。


「美紗……」高取が美紗の手を握る。


「雪村さんの事は、妻から聞いててね。 森岡君に会うために大変な努力をいてたみたいだ」



すうっと、意識が離れていく。



小梢の寂しげな瞳、頑固な表情……。



小梢は今、どうしているのだろうか?




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