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不倫研究サークル
第6章 一触即発
次の土曜日。

僕は、陽菜の家庭教師をしていた。

先週のデート、小梢は僕の告白を断った。

断られる少し前まで、僕はイケると思っていたが、あの悲しい目を見た瞬間に失敗すると直感した。



あの時のシーンが、今でもフラッシュバックのように蘇る。











「ごめんなさい。わたしから無理に付き合わせているのに、こんなこと言うなんて勝手だと分かっているの。でも……」

小梢は、僕から目をそらすと、うつむいてポツリポツリと話し始めた。


「本当にごめんなさい。自分でもどうして良いか分からないの」

なんと反応して良いか、僕には分からなかった。

小梢は、顔を上げると、また大きな瞳で僕を見据える。が……、
その瞳からはポロポロと涙がこぼれ落ちていた。

(??)

またも不可解な状況に、僕の思考は停止する。

「わたしも圭君の事が、《《ずっと》》好きだった。でも、少し考えさせて欲しいの。
だから、もう少し、このままの関係でいさせて欲しい……」

僕には、これ以上何も言えない。現状維持なら、御の字のような気がした。

「うん、僕も、このままでも、小梢が傍にいてくれるなら、このままでも……良いよ」

「ありがとう圭君。好き……」

小梢は、そう言うと僕に抱きついてきた。

好きなのに付き合えない……。モヤモヤした気分だけが残った。









「圭?」

「圭」

「圭」


「圭!」

「ん? ああ、どうした? 陽菜」




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