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夏の終わりに
第12章 告白 ①
―――襲いたい……

思わず声に出してしまった言葉に、浩人自身戸惑っていた。


渇きを癒すように深く舌を絡ませ、千里の柔らかくしなやかな感触に酔いしれる。その一方で、吐き出した言葉に警戒される瞬間を、愛撫を拒絶される瞬間を、恐れビクついていた。
しかし、もう駄目だと、今度こそ嫌われると心が構えるたびに、千里が体を擦り寄せ、腕を絡め、優しく微笑んでキスをせがむ。

朝も、嫌がってはいなかったよな

それが何を意味するのか……


都合の良い根拠ばかり集めているような気がして、浩人は結論を出せないでいた。
とはいえ、

千里の舌は逃げる素振りもなく絡み合い、時々、躊躇いがちに唇に吸いついてくる。
胸を揉みしだき、猛る下半身を押しつけても、千里の細い腕は首に巻きついたまま。

これは、紛れのない真実だった。
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