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夏の終わりに
第21章 繋がる想い ①
想いの丈をぶつけるように、千里は懸命にキスを返していた。

会えなかった間の心が張り裂けるような痛みも、再会してからの息苦しいほどの焦燥感も、全てが堰を切ったように溢れ出て胸が熱くなる。

「好き…っ」

唇が離れた一瞬に囁くと、浩人は切なげに眉を寄せてまた唇を重ねてきた。濡れた音を立てながら二人の舌が絡み合い、甘い息が混じり合う。

「…千里」

いつもとは違う呼び方に、浩人の激しい情熱が満ち溢れていた。
嬉しくて、鼻の奥がツンと痛くなる。

「ヒロ兄ちゃんが、好き」

どれだけ繰り返しても、想いの全てを伝えることはできない。

「好きなの…っ」

どれだけ想いを告げても、離れていた時間を埋めることはできない。

「もう、会えないのは嫌なの…っ」

もどかしくて、苦しくて、千里は声をあげて泣いていた。
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