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夏の終わりに
第23章 繋がる想い ③
「…出来たら、産んでくれる?」

囁く声に千里が息を飲み込んで、恥ずかしそうに俯く。

拒絶ではないと分かっていても、答えを返してくれないことが怖い。


きつく瞼を閉じると、乳飲み子を抱く千里が見えた。
美しく、清らかで、何よりも神聖で、愛に満ち溢れる姿。

望めば、手に入るのだろうか。
こんな俺にも……

「…産んでも…いい、の?」

甘えるように見つめてきた千里に頷いて、浩人は探るように唇を重ねる。

「ぁ…っ……」

繰り返すキスに、千里の中に入ったままの浩人自身が、徐々に大きくなった。そのことに気づいた千里が、困った顔をして黙り込む。

浩人は口許を綻ばせ、手のひらを腹部へと移動させた。


俺の子を産ませたい。


先ほどまでとは違う、純粋な本能が浩人を突き動かす。

やがて二人の間に静けさが訪れるまで、浩人は千里の中に深く深く突き射れ続けた。
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