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夏の終わりに
第23章 繋がる想い ③
空がまた少し明るくなり、しゃがんでいるカズの姿がはっきりと見えるようになった。

足元は泥にまみれ、ビールか何かを溢したのかTシャツの裾に大きな染みが広がっている。他にも、血が飛び散ったような跡まであった。

汚れた手で目を擦ろうとしたカズが、舌打ちして大きく顔を振る。時折ふらりと首を傾げるなど、一晩眠っていないのは明らかだ。

「いつから畑に出てたの?」

カズは目を瞬き、苦笑しながら浩人を見やった。

「俺の質問には答えないで。突然、なんだよ」

「……ゆっくり休んだ。ちぃは…大丈夫。カズ兄は?」

「俺も大丈夫」

わざとらしく真面目腐った表情のカズに脱力し、浩人もその場にしゃがみ込む。

「ヒロは?お前は大丈夫か?」

「…えっ?」

意味が分からずに聞き返すと、カズは一瞬キョトンとしてから呆れたふうに溜め息をついた。
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