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夏の終わりに
第25章 エピローグ
千里が笑えば、浩人も笑う。
二人はそうやって寄り添って育ってきた。

初めて浩人に笑いかけた時から、千里は浩人しか見えていなかった。
どんな時でも、浩人が傍にいれば、それだけで幸せだと思うような子供だった。

浩人にとって千里は心の拠り所であり、何にも変えられない大切な存在であり、そして生きる道標だった。


その様子を三人は傍で見守ってきた。

だからこそ千穂と美也子は痺れを切らし、今回の計画を立てたのだ。
大切な子供達が、互いを避けるようになり、避けられていることに傷つき塞ぎこんでいる姿など、これ以上見たくなかった。


計画は簡単だった。

浩人と千里が同時に帰省するように仕向け、二人きりで過ごすように時間を作れば良いだけだった。

そのためなら、川北のコンビニに強盗が入ったなどと嘘もついてみせた。
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