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夏の終わりに
第11章 花火
指でブラジャーの縁をなぞり、左の胸を下から持ち上げるように包み込んだ。千里の鼓動が、痛いくらいに強く手のひらを叩く。その強さをもっと感じたくて探っていると、細い手がそこに重なった。
千里はキスから逃げて目を伏せてしまったが、抵抗する様子はない。耳まで赤らめて、ただ戸惑っている。

その仕草が、どれだけ男を欲情させるのか分かっていない。


浩人はスカートの上から千里の太股を撫でると、耳たぶに唇をあてた。

「……っ、」

びくんと反応して、千里が驚いた顔で振り返る。

「もっと良く見えるとこに移動しようか」

森へ入らないと決めたのは自分だが、その判断が間違っていたように思えた。
周囲に人がいても抑止力にはならない。触れてしまえば、そんなもの意味がない。


重なる手を握り返して、浩人は拝殿の裏へと歩き始めた。
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