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想い想われ歪なカタチ
第2章 2
「お前、誰の許可を得てここ居るんだ?
 使用人はさっさと出て行け。それとも痛い目に会いたいのか?」


一転して鋭いドスの聞いた声でゴリラ男は吼えた。
その声に、むしろ私がビクリとして逃げたくなった。

流牙は相変わらずの、何の表情も示さない顔でゴリラ男を見返すと、
その顔に何やら文字と、判子の押された書類をスイと突きつけた。


「この屋敷の権利書。家財一切の領収書だ。
 ここは俺の屋敷で、すでにお前達の方こそ違法な侵入者だ。
 誰の許可を得てここに居る? さっさと出て行け」


「なっ・・・ これは・・偽者じゃないな・・・ どういうことだ!?
 俺達は確かにボスの言いつけで――――」


「だからそのボスから俺がここを買い上げたんだ。
 そのぐらい察しろ。状況は瞬時に一変する。連絡を受けていないのか」


タイミングを見計らったように、チャラチャリ・・ とゴリラ男の胸ポケットが鳴った。
即座に男は電話を取る。
『はィ!』『了解しました。』『ええ、ハイ』なんて、
畏まった顔つきで電話の相手と話している。

ピ と電話を切ると、ゴリラ男は姿勢を正して流牙に向き直る。


「これは失礼致しました。
 こちらに手違いがあったようで・・・。すぐに全員を引き上げさせます。

  おい ずらかるぞ」


ゴリラ男とその手下は、イマイチ腑に落ちない顔つきをして、すごすごと引き上げて言った。

部屋には私と流牙が取り残された。


「流牙・・・・」


私はちょっと感動の目で流牙を見る。


「ッ・でかしたッ!! 偉いわ!!!
 こうなることを知って、先回りして手を打っていたの? ね!?
 それで一週間も不在してたって訳? だったら一言ぐらい私に言いなさいよ!!
 だいたい現れるのも遅いのよ!! ・・・まぁ、ギリギリ間に合ったから許してあげるわ」


160cmの私より、20cm高めの流牙の背中を、バンバンと叩いて私は胸を張る。

流牙はふふふ と笑みを零した。
あら、流牙が笑うなんて。珍しいこともあるもんだわ。
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