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想い想われ歪なカタチ
第4章 4
「私、あれ、欲しい! あれ! 欲しい!! あれ買って!?」


・・・驚くかもしれないけど実際、
幼稚園やそこらの私の
欲しいものに対する感覚って、そういう感じだったのよね。

お祖父さまは私を見つめると、
細い皺だらけの 私だけには優しい目元をゆるませて、困ったように肩を竦ませた。


「伊吹・・・あの少年はデパートの商品ではないのだよ・・?」


突拍子もない私の欲求に、優しく諭すように説明をする。
そんなの、私が聞きっこない。


「やだ! やだ! 欲しい!! 欲しい!!
 買って!? 買ってよ、おじいちゃま~~!」


「伊吹・・・」


深いおでこの皺が、いっそう深くなってる。
お祖父さまが何か言い出す前に、私はとっておきの止めを刺した。


「誕生日プレゼントに何でも買ってくれるって言ったじゃない!!
 おじいちゃまの嘘つき!! おじいちゃま、嫌い!!」


ぷぅと頬を膨らませてそっぽを向く。
でもしっかり横目で、お祖父さまの反応を覗いながら。


「わ、わかった 伊吹、少し待っておいで」


案の定、お祖父さまは慌てて私をなだめると、施設の園長らしき人物と交渉に入った。
私はしめしめと舌を出す。

無邪気な子供のふりして大人を操るなんて 本当にカンタン。
これでもう あの存在は私のものになったと、この時すでに確信していた。

窓辺の少年は、ほどなくお祖父さまと施設長に呼ばれて
何やらいろいろと説明を受けていた。

そうして、よく理解できていない様相で突っ立っているところへ、
私はちょこちょこと近寄って、目の前に立ち塞がると声を掛けた。


「いい?あんたは今日からわたしの奴隷なんだから!!
 わたしの言うこと何でも聞くのよ!? わかった??
 わかったら返事しなさいよ!!」


「・・・ええと、君が伊吹?」
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