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Secret space
第10章 10

実和に寄り添われて入った湯船の中で、手首の縄の跡が
熱い湯と鋭く反応して、轢きつく痛みを放った。
手首だけではない。身体のあちこちがぎんぎんと痛む。
離れた脳に歌声が響いた。
さいの うたかた かぜにのり
ながれる たきがわ さらさらと
のこした おさなご いまいずこ
あめのさんさは ざんざらら
はれのさんさは さんさらら
いつ、誰に教わったのか もう思い出せない民謡を
実和はその澄み切った声で優しく口ずさんだ。
同時に湯音を響かせて、力の抜けた紗織の身体を、柔らかく洗い清める。
紗織は、実和が自分の身体の 服を脱がせ、洗って 湯に浸らせ
その水分を拭き取り、また服を着せる 全ての動作を、
まるで意思のない人形のように、ただされるがままに受け止めていた。
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熱い湯と鋭く反応して、轢きつく痛みを放った。
手首だけではない。身体のあちこちがぎんぎんと痛む。
離れた脳に歌声が響いた。
さいの うたかた かぜにのり
ながれる たきがわ さらさらと
のこした おさなご いまいずこ
あめのさんさは ざんざらら
はれのさんさは さんさらら
いつ、誰に教わったのか もう思い出せない民謡を
実和はその澄み切った声で優しく口ずさんだ。
同時に湯音を響かせて、力の抜けた紗織の身体を、柔らかく洗い清める。
紗織は、実和が自分の身体の 服を脱がせ、洗って 湯に浸らせ
その水分を拭き取り、また服を着せる 全ての動作を、
まるで意思のない人形のように、ただされるがままに受け止めていた。
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