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ふた、りの秘密は永遠、なり
第2章 2
必死で走ってみたけれど、股間のアレが邪魔をしていつものようにスピードが出ない。で、遅刻した。

「川俣也実、遅刻っ」

「すみませんっ」

一時間目の国語教師はそんなにうるさいタイプじゃないから助かった。
そっと自分の席に腰をおろしたら、斜め前のフタバが心配そうに振り返った。

「ナリちゃん、どうしたの?」

「ちょっと寝坊しちゃってさ」

大丈夫大丈夫、と笑って見せたけど、フタバの眉を下げた心配顔は直らない。そんな表情も庇護欲をそそるから困っちゃう。
股間のアイツがムクムク起き出しそうで、慌てて黒板へ意識を向けたけど。

落ち着かないんだ、まったく。
欲望を吐き出したあと、ちんこはしおっと萎れたけれど、どうやらコイツは規格外サイズみたいだ。
一番股上が深いショーツを選んではいたのに、つるっと赤い先っちょがどうしても収まらず顔を出しちゃう。

なんでこんなことになっちゃったんだろう。
昨日の夜、嫉妬でぐるぐしながらオナったときに、「ちんこが生えてくればいい」なんて思ったのがいけなかったのか。まさか本当になるとかなんの魔法だよ。

原因とか対処法とか、先生の目を盗んでスマホで検索してみても、そんな魔法にかかった人の体験談とかインスタはみつからなかった。まぁ、映えないしな。

いっこだけわかったのが、私のようにおっぱいとちんこを持つヒトのことが、『ふたなり』と呼ばれていること。


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